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両親が熟年離婚したら

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「オヤジとオフクロが別れるって言うんですよ。二人とも57歳です。それなのに冗談じゃない、とんでもないでしょう?」

そうかな? 何がとんでもないのか分からないが、別れたいときは年齢も性別も関係なく起こってくるんだから、しょうがないでしょう。

まだ26歳の息子である彼には難しいだろうけど、それが離婚なんだよね。

「そんなこと言われても、僕ら兄弟は困ります。姉貴んちは、ダンナさんの会社が大変みたいで、そんなとき親が離婚するなんて、とんでもないですよ」

いや、だから何がとんでもないのか具体的に言ってほしい。

「だからね、僕は恋人がいて、ちょっと早いけど結婚しようかなとか思ってるわけです。でも親が離婚なんてしたら、彼女に幻滅されちゃいますよ。それに彼女の両親だってよく思わないでしょ?」

親が離婚することによって、恋人に幻滅されたり、相手の両親に反対されかねないという程度なら、その結婚はやめたほうがいいかもね。
結婚は文化と文化のぶつかりあいでもあるから、離婚を容認する文化のない家のお嬢さんとは、うまくいきませんよ。

その結婚、やめておいたら?

「そんな無責任なことをおっしゃるんですか。じゃ、僕の人生はどうなるんですか!」

あなたの人生は、あなたのもの。
同じように、あなたのお母様の人生はお母様のもの。
お父様とお母様が今までの人生で成してきたものの結果が離婚なのであれば、それはそれで一つの選択だから子どもが意見したところで変えようがない。

ああ、そういえば今テレビ朝日で『熟年離婚』というドラマをやっている。
先日、私は同ドラマのロケを見に行った。

夫を棄てる妻を松坂慶子さんが演じ、棄てられる夫は渡哲也さん。ロケを終えた後、渡さんとお話させていただいて、その瞳の美しさ、声の色気に私はもうメロメロになってしまった。渡さんのような夫を棄てる妻が世の中にいるわけはない! 

でも、まぁ、ドラマだから。

相談者の彼の悩みは、ドラマでいえば、二人の息子役を演じる徳重聡さんの苦悩と似ているかな。
息子の立場としては、もうすぐ還暦を迎える母親が父親に引導を渡して家を出て離婚するなんて、さっぱり理解できないのは当然かもしれない。

でもね、まだ20代の彼には分からないだろうけど、夫の定年退職と2007年の年金分割施行を待って離婚を望む妻たちは現実にたくさんいるんですよ。

夫婦が壊れるときは、なにも夫の暴力や浮気や借金といった分かりやすい理由があるとは限らない。

ギャンブルも浮気もせず、家族のために仕事一筋で頑張ってきた夫だからといって、必ずしも離婚を免れるわけではない。
若年離婚のように、結婚生活でトラブルがあったから離婚するわけではなく、何が過剰で何が不足だったかの結論が出るのが熟年離婚なのだ。

相談者の彼は、自分の体面をどう保つかという見地から親の離婚を見ている。それも大事なことだとは思うが、より建設的なのは、両親の離婚をひとつの夫婦関係の消滅として冷静に見つめることだ。そして、彼が結婚しようとしている恋人との関係をきちんと見据えてほしい。

結婚20年以上の夫婦の年間離婚数が4万件8万人を超えている今、熟年離婚は決して他人事ではないのだから。

出典:『アクション』連載原稿--息子から見る離婚

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