2007年には熟年離婚の嵐が吹く
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熟年離婚の時代がやってくる。すでに昨年からその予兆があり、テレビ朝日のドラマ『熟年離婚』は、最高視聴率二一・四%を数え、平均視聴率一九・二%は、テレビ朝日連続ドラマの中で歴代一位となっている。
一体何が起こっているのかと不思議がるのは夫たちであり、妻たちにはその理由は明白だ。
戦後右肩上がりだった離婚件数は二度減少している。一度目は日本がバブルに浮かれていた時期。カネも仕事も溢れているような気がしていた時期は離婚が増えるだろうと思うが、実際には、夫婦共通の夢をみることができるため離婚は減ったのである。もちろんバブル崩壊とともに離婚件数は急激な上昇に向かったのだが。そして今、二度目の減少が起こっている。
日本では、年間約二十八万件前後の離婚があるが、〇三年から特に熟年層の離婚件数が明らかな減少をみせている。〇二年には二万七三〇〇件だった結婚二十年以上の夫婦による離婚が〇四年には二万五三二〇件となっており、九〇年から〇二年まで毎年一〇五六件平均で増加を続けてきたものが、一気に減少に転じている。
その理由は、専業主婦の年金受給権分割待ちである。
〇七年四月一日に施行される法改正によって、第三号被保険者が、離婚時に夫の年金を、夫の了解か裁判所の決定があれば、厚生年金の報酬比例部分につき最大二分の一分割することができる。基礎部分は年金を納入した夫自身のものであり、報酬比例部分のみの分割というのは決して多額ではないのだが、そのタイミングを彼女たちは待っているのである。
〇六年は、さしずめ「嵐の前の静けさ」だろう。
離婚件数は前年に続いて減少を続ける。
そして〇七年、熟年離婚の嵐が吹き荒れるのである。
時代の趨勢として自然増加する離婚件数に、〇三年からウェイティングに入っている妻たちの数を加えると、〇七年の離婚件数は四十万件にも届くのではないか。
熟年離婚を引き起こす嵐はもうひとつある。
団塊世代の定年退職がそれだ。〇七年から団塊夫たちの定年退職が始まることによって、退職金という目に見えて分かりやすい財産の分与を望んで離婚する妻が増加するのも必至だ。熟年妻たちは夫の退職金を、勤続年数のうち婚姻期間についてその二分の一を財産分与として請求するのである。
さらに年金分割は〇八年四月から、第三号分割制度として二段階施行が決まっている。これを待つ妻も多いが、しかし、こちらは待っていても意味はない。第三号分割制度は〇八年以降に納入した年金がその対象となるため、頼みに待つ熟年妻たちは対象ではない。
第三号分割制度は自分たちを対象としていないと気付いた妻たちは、待つことをやめて離婚を急ぐだろう。しかし離婚は、その意志を申し出て成立するまでに時間がかかるため、その成立は翌年以降に持ち越される。したがって、〇八年の離婚件数も増加が必至である。
増加は離婚だけではない。
将来の年金分割を待つ熟年妻たちが、夫とともに暮しその顔を見るのも世話をするのも嫌だからと別居を始める人も確実に増える。すでに〇三年頃から別居し生活費を請求する妻たちは増えている。
離婚と別居の増加は単身世帯の増加でもある。
熟年離婚により独居老人大国となってしまう日本の未来を私は憂える。できれば熟年離婚は避けてほしいと心から願っている。
出典:『週刊ダイヤモンド』新年合併号 黄金の3年総予測
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