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vol.10 東京・大阪家裁判事による「養育費算定基準表」
QUESTION
離婚の話合いをしています。財産分与・慰謝料は決まりましたが、私が親権者となる4才の一人娘の養育費が決まりません。「1円も払いたくない」と言います。年収1000万円の父親の発言とは思えません、無責任すぎます。
(名古屋 39才 パート主婦)
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ANSWER
「別れる女房に1円たりとも渡したくないから、養育費は払わない」この発言を行なう夫は、多くいます。
しかし、この発言自体がすでに間違っています。
財産分与・慰謝料は夫婦間の問題ですが、養育費は親子の問題だということを、父親・母親ともきちんと認識しておきましょう。受取人は子どもです。子どもの養育費を管理するのが親権者です。
とはいえ、養育費の金額を決めるのは、とても困難なことです。今までは司法にも行政にも明確な基準がなかったため、夫婦間の感情的対立ばかりに終始した感がありますが、今年4月、基準が発表されました。
東京・大阪の地家裁判事が研究会で作成した「簡易迅速な養育費等の算定を目指して」(判例タイムズ1111号)の冊子がそれです。養育費の算定方式と併せて、一目瞭然の算定表の記載があります。それによると、夫の年収1000万円・妻のパート収入100万円・4才の一人娘の場合は、月額8〜10万円です。子どもが2人の場合は、月額12〜14万円(2人分)。
2003年5月頃から、算定表は各地の地裁・家裁で利用されはじめています。今後、調停・協議に関わらず、養育費の取り決めを行なうときの指針として役立つものとなる、頼もしい予感がします。
そして、取り決めた養育費は、継続して払い続けることも大切です。今までは、取り決めをしても、支払われなかったり途中でストップすることが多くありました。
養育費が支払われないということの意味は、子どもにとっては、お金を受け取ることができないというだけではありません。養育費には、「育ってほしい」という親の気持ちも込められています。その心を受け取ることもできないまま成長していくのでしょうか。
夫婦は、離婚によって他人となりますが、子どもの父親・母親は、生涯変わることなく親として存在していきます。
養育費を渡す。受取る。受取ったことへの感謝を伝える。これらはいずれも、私たち親が見せることのできる子どもへの最大の生き方の手本だといえます。子どもに良い手本を見せられる親になってほしいと心から願います。
東京新聞『池内ひろ美の人生相談』より
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