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昼ドラ倶楽部

vol.5 別れた夫の給与から、養育費を天引きする法律(案)

  目次 

QUESTION

国会で、「養育費の支払い」が議題となるようです。3年前に別れた夫は養育費を決めてくれませんでしたし、もちろん1円も払ってくれません。無責任な父親から今後は強制的に受け取れるようになるのでしょうか。

(愛知県 契約社員 37才女性)

ANSWER

養育費の未払いは、たしかに大問題です。

そもそも離婚の時、養育費の取り決めを行っている人は、35%しかありません。6割以上の両親が子どもを無視して夫婦間の争いだけをおこなっているわけです。さらに、現実に養育費を支払い続けている親は全体の2割にも満たないと言われている、お寒い状況です。

この無責任さには、まったく憤りを感じます。と言いつつ、じつは私も同じ状況下にありました。

9年前、当時5才だった一人娘への養育費を月額4万円と取り決めて離婚したにもかかわらず、数年後から櫛(くし)の歯が欠けるように振り込み回数が減り、そのうちぴたりと止ってしまいました。別れた夫は再婚し子どもを持ち住宅ローンを抱える立場にあって、養育費の支払いが負担となっていたようです。まったく、どうしたもんでしょう?

おっと、うっかり相談してしまいました。回答を書かせていただくんでしたっけ。

あなたの場合は、まず養育費の金額を決めましょう。
離婚に伴う財産分与は2年、慰謝料は3年という時効がありますが、養育費の時効はありません。お子さんの権利ですから、ぜひ調停で行ってください。未払い分の精算は困難ですが、取り決めた後に支払いが滞った場は、履行勧告・履行命令を出す。それでも支払われない場合には、強制執行(給与の差押えなど)もできます。

ところが、世の中にはさまざまな人がいます。給与の差押えをしても、支払いから逃げるために転職を繰り返す人すらあります。その度に差押えるコストが大きいため、請求できないと諦めるのを待つわけですね。それを防ぐために、企業の手を煩わせる「給与天引き」システムを作ろう(本来なら国や行政が徴収するのが筋というものですが、今回は企業も痛みを引受ける)というのが今国会に提出される新法案です。たぶん通るでしょう。

可決の背景にあるのは、数年間かけて引き下げてきた児童扶養手当の受給資格所得制限です。平成9年には、年収240万円の母親は月額4万余円を国から受給できましたが、現在は、年収130万円未満にまで引き下げられています。

年収130万円以上の母子家庭は自力で生きろ、別れた夫から取り立てろ、というのが、日本という国の考え方です。

国が、国民という子どもを守らないで、ただ一人の親にだけその責を負わせるのか? 大きな疑問が残る法案でもあります。


東京新聞『池内ひろ美の人生相談』より

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